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お母さんから離れる罪悪感と、大人になる決意

私は、2020年8月の終わりに、夫と娘と一緒にフランスに移住しました。
その背景には、いろいろありますが、
私にとって重要だったのは、
「母から離れる罪悪感と家族を持つことへの恐怖」を再度見つめることになった
ということでした。

今日のブログはこのことについて考えていきたいと思います。

目次

私自身の、母への罪悪感

8月末にフランスに来てから今まで、
こちらの生活に慣れていくために忙しくてあまり意識を向けることはなかったのですが、
静かに改めて、
母親に対して、申し訳ないな、という気持ちがまだ私の中にあるなあと気づいた日がありました。

とても静かに、なんだか胸の奥が少し痛いような感覚。

何度も見てきたけれど、まだ残っているこの気持ち。
完全には消えないのよね。

母は、自分の母親に対して、とても親孝行な人でした。
祖父母のめんどうをよく見ていたし、
小さい頃からそれを見て育った私も、自然と、親孝行すべきであるという感覚が育っていったと思います。

でも、母が自分の母親にしていた親孝行と、
私自身ができるそれとは、大きな違いがあります。

それは何よりも、私自身が「望む生き方」があったから。

でもその望む生き方とともに、
私の中で、なんとかして母親の思いに応えたい気持ちもありました。

それを一言にすると、
結婚して、子どもを持っても、
母親から離れずにいた方が、きっと喜ぶはずだ・・・という思いがありました。

もっと極端に言ってしまうと、
どこかで、「離婚して、娘と私が両親と一緒に住む」ことが
実は理想なんじゃないかと思い始めていたのです。

それを想像してみると、
母も父も嬉しそうで、私は楽ちんな感じがしてしまうのです。

娘や夫の気持ちなんてお構いなし。

言葉にもしたことがなかったし、実際に行動にしようとも思っていなかったことだし、
やっぱり私は夫婦の関係のなかで、本当の愛を学びたいと思っているけれども、
私の中で、これが理想だという思いがどこか深いところにあったような気がするのです。

万一、それを現実化していたら、
私は、母が私を育てたように自分の娘に接することを、とても苦しく思ったはずだし、
何よりも、
自分自身が老いたとき、娘に私の老後を託したくなってしまうかもしれません。

思い出すのは、ある女性のこと。
彼女のお母さんは離婚して、彼女と二人で暮らしていました。
そしてお母さんは、
「結婚したら、お母さんと一緒に暮らして、お母さんの面倒も見るのよ」
と言い続けられていました。
彼女は自分の幸せよりも、お母さんの一生を背負うような苦しさの中で生きていたのです。

私も、娘にそれを強いることだって、ありえるかもしれないのに。

私が一瞬だけでも思い描いてしまう、
孫と一緒に暮らせて、父と母が幸せな気がする、というイメージには、
実際の私の気持ちや娘の気持ちなんて、含まれていないし、
ちゃんと冷静にみれば、両親の思いだって見ていないのです。

特に結婚は、「家を出る」という決定的な出来事です。
そこに、両親を幸せにしたい思いや、自分が大人になっていくことへの恐怖がつきまといます。
そんな私が、「罪悪感」から逃れるために考えたことが、離婚して両親と娘と一緒に住むイメージなのでしょう。

私が両親から離れたくなかったのか、
離れてはいけないと思い込んでいたのか。

もうどっちがどっちかわからないくらい、
入り組んでしまった私の感情。

自分の心を探り、本にも書いたように、
結婚を邪魔する心理的障害も解消させて結婚したはずの私でも、
まだ「親から離れる罪悪感と大きな不安」が残っていたようです。

だから、今まで何度も海外に住んでいた私だったのに、
そんな感情を紛らわせるように、
結婚してから、実家のそばに引っ越しをしたのだろうと思います。

これが
最高の親孝行になると思っていたのかもしれません。

私の気持ちがどこか、結婚しても
夫との関係を育てることにコミットしていなかったせいなのか、
両親と夫との関係が難しくなり、
またイギリス人の夫が日本で暮らすことにも限界なのでは、と思うようになり、
私たちはフランスに来ました。

 

私が想像する「親が求めているであろう親孝行」をするためには、
私以上に、
今度は、私の家族の犠牲も伴うことになってしまうことになる。

どうしようもない中で、
私は一度離れてみることにしたのです。
一旦離れてみないと、
ちゃんと見えないから。

フランスに一生住むのかどうかはわからないけれども、
とにかく一度、出てみる。

表向きは、娘の教育ですし、
実際に、住む場所は娘の学校で選んだのですが、
私自身は、
「親から離れる罪悪感と、自分が本当に求めること」を
探るために、一旦距離を置いた感じがします。

両親のことを思っていたのなら、
私が地元の日本人の男性と結婚すれば良かったわけで、
でもそうすると、
そもそも、世界中で生きていきたいと思っていた私とも矛盾してしまうのです。

結局、私の望みも叶えたい、
でも両親に罪悪感を持ちたくない。

この思いの中で、私も揺れていたのです。
そして、フランスに来てみたら、ああやっぱり残っているね、罪悪感。

親になる、家族を作るということに関する、とてつもない大きな恐怖感

そして今、私は
自分が自分の家族を作ることへの、大きな恐怖を感じていることにも気づきます。

子どもを授かる前までは、年齢のことや、仕事のことばかりを考えていて、
それをクリアにしたから子どもが来てくれたと思っていました。

でも、自分の家族を作るという覚悟については、
私は親のそばに住むことで、うやむやにしていた気がします。

さらには、先ほど書いたみたいな、
離婚して、娘と一緒に両親と暮らす、というイメージには、
私が抱えていた恐怖感を払拭してくれるような魅力があるように思えます。

私は子どものままでいられて、
両親に親の役割を持ち続けてもらえるのですから。

でも当然、それを現実化してしまったら、すでに書いたように、
私は自分が子ども時代に苦しかったような、母との関係を再現させてしまうことになるし、
娘にもそれを与えてしまうことになります。
何よりも、娘からパパを奪うことになり、私自身もあんなにも学びたいと思っていた
夫婦間の愛を学べなくなってしまいます。

でもこんな馬鹿げた想像が、私のどこかに存在してしまうくらい、
私は「親になること、自分の家族を作ること」に恐怖を感じていたのだと思います。

こんなにもワークをたくさんしてきたはずの私なのに、
自分でも正直びっくりな気づきでした。

フランスに来て、
夫が仕事に行き、子どもを学校に送り、
初めて一人になった瞬間、
私の中で家族を作る責任感とか、日本から離れてしまった恐怖みたいなものが、
大きくはないけれどもじんわりと胸にあることが感じられました。

子どもでいられた頃。
私はこんなにも責任を持って生きていなかったな。
親になってしまったら、
目の前にいるこの子の責任も私たちが持つ。
そして、これからの未来、老いていくこと、子どもが巣立っていくことも、
私はこれから体験していくわけだ。
この全部、私は受け入れることになるのね。

なぜか、私が子どもでいられたら、
両親の老いさえも止められるような変な幻想もあったりして、
私はこの先に進むことを、こんなにも抵抗していたのね。

結婚しても、子どもを持つまでは気づかなかった思い。
親の近くに住むことで感じないようにしていた罪悪感と恐怖。
それをようやく私は受け止めることにしたのです。

これ、普通ならもっと前にやっておくべきことだったのに。

そう自分を情けなく思いつつも、
私も自分の弱さを認めながら、受け止めてみる。

母との関係を作り直し、自分が「母」になる決意をする

親から離れる罪悪感と、
自分で家族を作っていく覚悟。

この二つを、こんな年齢になってもう一度見つめることになってしまいました。

そして、その中で
新たに母との関係を作り直していくことにしました。
さらに私は、
娘が私から離れていくことについての罪悪感を持つ必要はないにしても、
頼れる母がいることで、安心はさせてあげられるようになりたいなとも思います。

考えてみれば、
母や父のことで、悩むことはあったけれども、
頼らせてもらっていたわけで、だからこそ子どもという立場を保持したくなっていたのですから。
私も娘にとって、ちゃんと「母」にならなくては。

少し寂しいような、でも新しい感覚が、
私の中でも芽生えていくことがわかりました。

母も、私たち家族の将来を思えば、
それがいいのだと、
頭では理解してくれているのがわかりました。

一旦離れようとすると、
親からの純粋な思いも見えてくるのですよね。

私は母が願う形で母を幸せにはできないけれど、
私が自分の心を整えて、私ができる親孝行をしたい、と思います。


結婚は、
私たちの人生の中でも大きな出来事です。

それをスルッとできてしまう人もいるかもしれませんが、
もしかしたら、
スルッとできていても、
夫婦間の難しさや、実家、あるいは相手の親との関係性の難しさを
ちゃんと見つめてみると、
スルッとできるものではなかった、と気づくかもしれません。

お母さんへの罪悪感のあまり、
結婚ができない方向に進んでいることに気づいたのなら。
大人になる恐怖があることに気づき、
子どもでいたいと願っている自分がどこかにいるのなら。

この罪悪感も恐怖もは、本当は持つ必要はないもので、
結婚するための覚悟に変えていけばいいと
考えてみるといいかもしれません。

 

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